naka_shoの日記

20代会社員です。

モンスターズインクから学ぶバイアスの外し方

モンスターズインクから学ぶバイアスの外し方

 

モンスターズインクを知っていますか?

あの有名なディズニーの映画です。

以前、ディズニーランドに行った際、「モンスターズインク ライド&ゴーシーク」という

アトラクションに乗りました。懐中電灯を持ってエリアに隠れているモンスターを探すアトラクションです。

 

アトラクションが楽しかったこともあり、映画「モンスターズインク」を思い出しました。

今振り返ってみると、「あの映画はバイアスの外し方を伝える映画なのでは」と思ったので、今日はその話を書きたいと思います。

 

映画をまだ観ていない方は面白いのでぜひ観てみてください。

観た後にこの記事を読むと「なるほど」と思ってもらえるはずです。

 

既に映画を観たことがある方は、「そんな見方があるのか」と気づけるはずです。

ではさっそく。

 

モンスターズインクの世界では、子供の悲鳴がすべてのエネルギーの源になっています。

そのため、悲鳴を生産する会社モンスターズインクは、モンスターの世界では大変人気のある会社です。

 

あるとき、モンスターの世界に人間の子供ブーが迷い込みます。

映画「モンスターズインク」はブーを人間の世界に返すためにサリーとマイクが奮闘する物語です。

 

さて、モンスターの世界では悲鳴がすべてのエネルギーになっています。

電気は悲鳴から生み出されます。悲鳴=エネルギーなのです。

モンスターは子供たちを驚かせ、そこで得た悲鳴を溜めて各家庭にエネルギー(電力)として供給しています。

ただし、モンスターは子供に触れると死んでしまうと信じられていました。

そのため、モンスターズインクの社員は常に危険と隣り合わせでした。

(のちにサリーとマイクがブーと接する姿を見て、他のモンスターも子供は危険ではないことを理解します。)

 

しかし、近年モンスターズインクは問題を抱えていました。

悲鳴の生産量が落ちてきてしまっていたのです。

原因は、映画やテレビゲームの普及にありました。

刺激に慣れてしまった子供は、モンスターの叫びで悲鳴を上げることが少なくなってきていたのです。

 

作中でも出てきますが、モンスターズインク社長のウォーターヌースと、サリーのライバルであるランドールは

子供を驚かせるのではなく、子供を誘拐して口に吸引機をつけ強制的に悲鳴を集めようと画策します。

しかし、この企みはサリーとマイクによって阻止されてしまいます。

ただ、それほどまでにエネルギー問題はモンスターの世界にとっては重大な問題だったのです。

 

一方、サリーとマイクはというとブーとの関わり方に悪戦苦闘します。

ブーが泣いてしまうと存在がばれてしまいます。

ブーの存在を隠すために椅子のカバーと電球でモンスターの擬態を作成するなどカモフラージュします。

何度かブーの笑いで町中の電気がつき、ついにはエネルギーの供給過多で電球が切れてしまうというシーンがあります。

また、大きなエネルギーが必要な人間界とモンスターの世界をつなぐドアも、ブーの笑いで起動させてしまったりします。

 

このあたりからサリーは「悲鳴よりも笑いの方がエネルギー量は大きいのでは」と思い始めます。

そして、モンスターズインクの社長ウォーターヌースが逮捕され、モンスターズインクが倒産してしまうかというラストシーンで

エネルギーは悲鳴からではなく、笑いから得ることができることに気づき、

子供を驚かせて悲鳴を得る会社ではなく、笑わせてエネルギーを得る会社へとモンスターズインクを変貌させます。

 

ストーリー説明が長くなってしまいましたが、ここからがこの話の本質です。

モンスターの世界ではエネルギー=悲鳴と信じられていました。

サリーは、これをエネルギー=笑いへと変化させたのです。

なぜ、悲鳴からエネルギーを得ることができると判明したのかは映画の中で明らかになりませんが、

はるか昔からの常識であったようです。

 

それを、その歴史をサリーは変えたのです。

エネルギー=悲鳴というバイアスを取り払いました。

 

大事なのは、なぜバイアスを取り払い、発想を転換することができたのかです。

映画の中では何度かブーの笑いによってエネルギーが家電に供給されているシーンがあります。

この出来事がサリーの発想の元となっています。

 

さらにもとをたどってみると、なぜサリーの前でブーが笑うという状況になったのかということが気になります。

それは、サリーがモンスターの世界に人間を連れてきてはいけないというタブーを破ったからです。

 

そもそも人間がモンスターの世界に入らなければ、笑いが悲鳴よりもエネルギーになることを

誰も気づくことができなかったでしょう。ルールの中で行動していれば、ルールの枠の中での発見しかすることができないのです。

 

ルールを破る、枠の外に出る、思ってもみないことをやってみることが

今までの自分にない経験を生み、その経験を転換することによってバイアスを取り払い

新たな着想を得ることができるのです。

 

映画「モンスターズインク」は、ルールを破ることで自分の常識の枠の外での経験を獲得し、

その経験を他に転用することで今までにないブレイクスルーを生み出すことができる、

そうディズニーが言っている映画ではないかと思いました。

 

最後に、ルールを破ってブレイクスルーを作り出すときには、周りの環境の変化も重要であると映画は示しています。

もし、ウォーターヌースが逮捕されていなければサリーとマイクは前代未聞の事件を起こした犯罪者になっていたでしょう。

組織の権力者がいなくなったことも、ブレイクスルーを後押しした要因だと思います。